
すが、ファイルで学んできたことを後輩に伝えていく手段として利用できるし、また、受験期に入ってからは自分の取り組んできた内容、苦しんだ内容、それが大きな励み、悩みの解消のために利用されるのではないか。そして、バレーボール部員として3年間の個々の具体的な足跡がそこに記載されていくのではないかと期待がもたれます。
? 短時間で行う練習
紀要の54頁の中ごろにありますが、練習が今までより短時間となり集中して練習することによって、心身ともに疲労が残らず、技術面での向上の度合いも高くなるというようなことがあげられます。ただこのパターン(紀要54頁の図)での練習を続けるには、毎日練習後に行うミーティングが非常に重要であり、その中で部員一人一人が明日のめあてをしっかり持つことが大切なポイントとなります。また、それがキャプテンを中心とした毎日の主体的な活動につながるのではないかと期待がもたれます。
? 成果と課題
「部活動がつらい」という生徒がたくさんおりましたが、「つらくなくなった」「前より強くなったような感じがする」という声は大変ありがたかったと思います。また、同じように反省点でありますが、野球部と同じように個人ノートをまとめる困難さを感じる生徒が多い。もっと簡単にできないかという課題が出ております。その他たくさんの課題は出ております。
【研究発表2】
生徒が自発的に生き生きと取り組む魅力ある運動部活動を目指して
佐藤司先生
1 はじめに
運動部活動は活動がすすむにつれて、試合に勝つことに喜びを感じる生徒、仲間同士でゲームを楽しむことを目的とする生徒など、目標の枝分かれがすすんでいく。また、過度の練習や試合への疑問、発育期のスポーツ障害、学校週5日制によるゆとりのない学校生活、早期教育、燃えつき症候群、加入時の制限等、生徒の自発的な活動の弊害となる問題が山積している。
このような中で、指導者は生徒がどのようなことを期待し、どのような活動をしたいのかを捉えながら、生徒と意志の疎通を十分に図り、生徒の期待と指導者の願いが一体になるような活動を仕組むことが、生徒にとっても真に魅力ある運動部活動を展開することにつながると思います。そこで、本県では加入の状況、生徒・指導者の意識、活動内容・運営面・健康・安全の4つの観点について調査し、過去のデータも参考にしながら問題を掘り起こし、研究をすすめてきました。
2 研究の方法
調査対象は、平成6年10月〜12月にかけて県下全中学校を対象に学校調査、指導者調査、生徒調査の3種類のアンケート調査を実施しました。生徒調査については、さらに平成7年9月から11月にかけて追加の調査をしました。学校調査は、各学校の部活動の代表者に行い、165校から回答を得ました。指導者調査は各中学校の運動部の主顧問を対象に行いました。これには外部指導者は含まれておりません(男性1016名、女性297名、合計1313名)。
生徒調査は、各中学校で2年生1クラスを抽出し、男子2406名、女子2007名、合計4413名。さらに、詳しいデータをとりたいと思いましたので、翌年同じ生徒に追跡調査をしたいと思い、各中学校3年生全生徒に実施をしました。
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